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UK 英国情報

「親と子の絆」が生んだ未来型百貨店「シンプソン・ピカデリー」

「風景の中に歴史がある」のが英国。
四方を海に囲まれた英国では、長い年月をかけて自然が作り出した風景のなかでさまざまな営みが繰り広げられてきました。
自然と人とが造り出した、"英国の絶景"。 それを読み解く楽しさが英国の旅の醍醐味なのです。

夏も終わりに近づきトラベルのベストシーズンを迎えるこれからの季節に、DAKSがオススメする英国の絶景を眺めに行く旅に
出られてみてはいかがでしょうか。

 





①イングランドでもっとも美しい村
バイブリー(コッツウォルズ)
Bibury, Cotswolds, England

バイブリーは、「羊小屋のある丘」を意味するコッツウォルズ丘陵に点在する村のひとつで、19世紀の装飾芸術家ウィリアム・モリスが「イングランドで一番美しい村」と称えて以来、21世紀の今まで世界中の人々を魅了し続けてきました。

村の中心に流れる清らかなコルン川には古い石橋が架かり、そばに佇むのは蔦の絡まる小さなホテル。春には川辺を黄水仙が彩ります。そして、コルン川から目を上げれば、坂道に寄り添うように石積みの家が並ぶアーリントン・ロウの佇まい。中世には羊小屋だったという家々は、そのライムストーン(石灰石)の蜂蜜色も風雪に耐えた深い味わいを見せます。

コッツウォルズは13〜14世紀に羊毛の集散地として繁栄した丘陵地で、17〜18世紀になると、バイブリーは羊毛産業で最盛期を迎えます。産業革命後は、機械化に適していた綿工業に取って代わられ、バイブリーは時代に取り残されたのです。でもそれが幸いして、昔ながらの佇まいが今に残っているという訳なのです。

バイブリーを訪れるなら夕暮れどきがおすすめ。人がだんだんと少なくなるにつれ、あたりには静寂さが漂い、羊毛で栄えた中世にタイムスリップした感覚を味わうことができます。


Photo: Shu Tomioka




②古代を感じる大平原の巨石群
ストーンヘンジ(南西イングランド)
Stonehenge, Wiltshire, England

ソールズベリー平原に忽然と現れる巨石群、ストーンヘンジ。先史時代の重要な遺跡ストーンヘンジは紀元前3100年ごろから造り始められ、紀元前1500年ごろに最終段階を迎えました。巨石が登場したのは紀元前2600年頃で、南西ウェールズから石が運ばれ、石柱が環状に建てられました。

その目的は、神殿、儀式場、あるいは天体観測ともいわれますが、未だに謎に包まれています。ミステリアスなものが好きな英国人にとってストーンヘンジは身近な存在。夏至の日は、ご来光がまっすぐサークルの中心にある祭壇石に当たるとあって、今では2万人もの人々が集まる特別な日となります。

現在、ストーンヘンジの周辺を古代の風景に戻そうという計画が進められています。近くにあったチケット売り場や展示施設をなくし、ストーンヘンジから見えないように約2.5km離れた所に新しいビジターセンターが2013年末に完成。ストーンヘンジまで電気自動車で送ってくれます。さらに周辺の道路も地下に埋めるという計画もあるようですが、そうなれば先史時代の人々が見た風景が見えるようになるのかもしれません。





③まばゆいまでの白い絶壁海岸
セブンシスターズ(南イングランド)
Seven Sisters, East Sussex, England

英国の自然美のなかでも美しさが際立っているのが、英国海峡に面した白亜の絶壁セブンシスターズ。「セブンシスターズ」とは大小の崖が7つ連なっているところから名付けられたそう。
英国海峡に面したこの辺りの大地は、石灰岩の一種であるチョークから成り、今から1億2千年前の白亜紀に海の生物の骨が化石化して堆積したもの。遥か昔から、その厳粛な美しさは侵入者を拒み、疲れ切って英国に戻った船員たちを温かく迎えてきたのです。

セブンシスターズでは、名作映画『さらば青春の光』(1979年)のラストシーンが撮影され、オートバイで崖際を失踪するシーンは大迫力でした。今では、崖の上まで多くの人がウォーキングを楽しんでいますが、ビジターセンターのバス停からは30〜40分、けっこうハードな道のりなので準備は万全に。

また、宮澤賢治のファンなら、彼が北上川の川岸を「イギリス海岸」と名付けたことを思い出すのではないでしょうか。白い泥岩層が露出している川岸が、かつては海だったことを子どもたち学ばせたくて、遥か遠くのイギリスにある白亜の海岸まで想いを馳せたのかと思うと、その想像力の豊かさに脱帽です。





④歴代の王たちが眺めたまっすぐに伸びる道
ロングウォーク(ウィンザー)
Windsor Castle Long Walk, Berkshire, England

ロンドンの西約40kmにあるウィンザー城は、900年以上も英国王室の居城であり、現在も使われている居城としては世界で最古かつ最大級の古城です。城内では、名画のコレクションで有名なステート・アパートメントをはじめ、聖ジョージ礼拝堂、メアリー王妃の人形の家が公開され、世界中から観光客が訪れる人気スポットでもあります。

そして、城外にある見逃せないスポットがロングウォークです。ウィンザー城の南側にあるジョージ4世門から、高台のスノーヒルに建つジョージ3世の騎馬像まで、ひたすら真っ直ぐに約4.2kmものまっすぐな並木道が伸びています。この並木道の原型が作られたのは17世紀。ヘンリー8世が反逆罪と不義の罪を着せた2番目の妻アン・ブーリンの処刑の報告を、スノーヒルに座って待っていたという逸話も残っています。

ロングウォークは、今でもエリザベス女王がロイヤル・アスコット(競馬)に出かけるときに使われています。もちろん、誰でも自由に出入りができるロングウォークですが、車で通れるのは王室関係者だけ。自転車も禁止で、唯一、歩くことだけが許されています。





⑤豊富な水が育んだ黄金色のキングサリの回廊
ボドナント・ガーデン(ウェールズ)
Bodnant Garden, Conwy, Wales

太古の時代からウェールズは水に恵まれた土地。水の神である龍はウェールズの守り神なのです。湧き水はもとより、川や湖に湛えられた水が自然を育み、ウェールズの緑はしっとりとした美しさを誇ります。そのため、ウェールズには有名な庭園が幾つも存在しますが、なかでも英国屈指と評価が高いのが、北ウェールズのコンウィ渓谷に広がるボドナント・ガーデンです。

1875年から5世代に亘って同じ家族が作り続けたボドナント・ガーデンを、一気に有名にしたのが、55メートルも続くキングサリ(Laburnum)のアーチ。毎年6月初旬に黄色い長い花房が垂れ下がるように咲き誇る様から、"ゴールデン・レイン"とも呼ばれています。アーチをくぐれば心も身体も黄金色に染まるようです。

西向きの斜面を利用した80エーカーの庭園は、5段のテラスガーデンと谷間のウッドガーデンから成り、なかにはローズガーデン、ウォーターガーデン、カナルテラスが配置されています。ここでは、キングサリばかりでなく、シャクナゲ、ツツジ、マグノリアなどが、美しい花が次から次へと咲き誇るように工夫され、訪れた人々を飽きさせません。テラスガーデンの上からはスノードニア山系の雄大な景観も楽しめ、庭園というより渓谷の中を歩いているような感覚を楽しめます。





⑥スコットランドの最果てにそびえる奇岩
オールドマン・オブ・ストー(スカイ島)
Oldman of Storr, Isle of Skye, Scotland

スコットランドの北西、大西洋に浮かぶスカイ島(Isle of Skye)の名は「翼」を意味し、まるで鳥が翼を広げたような地形の島です。島の北部に32kmも伸びるトロッターニッシュ半島の東側、小高い岩山の中腹あたりに、頭が尖った玄武岩の石柱が幾つも屹立し、そのなかで高さ50mもある最大の石柱がオールドマン・オブ・ストーと呼ばれています。

この辺りの岩山は太古の地滑りの残骸が隆起してできたもので、地殻変動の激しさを伝えています。このあたりは樹木がほとんどなく、ダイナミックな断崖絶壁と岩肌も荒々しい山々の風景が続きます。これらは氷河によって形成されたものですが、複雑に入り組んだ海岸線の美しさも必見です。

このトロッターニッシュ半島の東海岸の洞窟には、スコットランドの人々が愛する英雄ボニー・プリンス・チャーリーが身を潜めていたという伝説が残されています。18世紀半ば、イングランドに併合された後で反乱の狼煙を上げたボニー・プリンス・チャーリーが、戦いに破れて逃亡したのがスカイ島でした。その逃亡を助けたのがフローラ・マクドナルドという娘で、その物語は民謡『スカイ・ボート・ソング』に唄われ、その哀愁を帯びた旋律は今でも親しまれています。





⑦ゴルフを世界に広めた「聖地」
オールドコース(セント・アンドリュース)
Old Course, St Andrews, Scotland

最後にご紹介するのは、The Open(全英オープン)の舞台として知られるセント・アンドリュースのオールドコースです。1552年に作られた世界最古のゴルフコースとされ、ゴルファーにとっての聖地とも言われています。18ホールを回るようになったのも、ストローク・プレイを定着させたのも、すべてオールドコースから始まりました。

オールドコースは実はパブリックコースで、「市民のための共有地」としてセント・アンドリュース市が所有しています。そのため、日曜はコースが一般市民に開放されるほか、平日の早朝や夕方などプレーヤーがゴルフをしていない間も立ち入りは自由。人々がのんびりと散歩をする光景もオールドコースならでは。海辺に広がる砂丘をそのまま利用した「神が造ったコース」を、クラブを持たずに歩いてみるのもおすすめです。

オールドコースの脇にはパターコースがあり、週末ともなると家族連れやカップルたちが楽しんでいる光景が見られます。パターコースといっても、グリーンの起伏はオールドコース並みの難易度! パターコースの賑わいぶりを見ていると、その昔、地主たちのスポーツであったゴルフを一般市民にも振興したセント・アンドリュースの功績をあらためて思い出します。
尚、オールドコースで全英オープンが開催されるのは5年ごとと決まっていますが、2015年7月16〜19日には、第144回全英オープンがここオールドコースで開催されます。この大会は第1回の1860年から数えて155年目、オールドコースでの開催は29回目となります。


Photo: kiyoshi Takahashi


DAKSがオススメする英国の絶景。
壮大な景色を存分にお楽しみいただけましたでしょうか。
四季の変化により様々な表情を見せる英国の絶景を眺める感動の旅にご出発ください。