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ロイヤル・ウエディングをひかえたロンドンで王室ゆかりの地をウォーキング(後編)

取材&写真:木島タイヴァース由美子(ロンドン在住ブルーバッジガイド)
※ブルーバッジガイドとは英国観光公認の資格を持つガイドを示すバッジが青いことからそう呼ばれています。

エリザベス女王の孫で第2王位継承権を持つウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式が4月29日にウェストミンスター寺院で行われます。そこで、ロイヤル・ウェディングにちなんで、ウェストミンスター寺院を最終目的地とした、ロイヤル関係の建物を巡るDAKSオリジナルウォーキング・ルートをご案内しております。前編に続き、今回の後編では、バッキンガム宮殿近くのセント・ジェームスズ・パークからウォーキングがスタートいたします。

前編をご覧になりたい方はこちら

ウォーキングマップ

※ウォーキングの所要時間は約1時間です。
※赤の番号のスポットは前編で紹介しております。
※このウォーキングマップはルート・ポイントなどを簡略化して表示しています。実際のウォーキングには正確なマップをご利用ください。

ザ・モールもしくはスプール・ロードで衛兵交代の儀式をご覧になった後は、セント・ジェームスズ・パーク(St. James's Park)(写真1・Map1で、ひと休みされるのもいいですね。ロイヤルパークの中でも最も古いこの公園には小さな湖があり、さまざまな種類の水鳥がいます。湖にかかる橋からはバッキンガム宮殿や、ホース・ガーズ・パレード、外務省の建物などが見え、写真撮影には絶好のビューポイントです。公園は春夏には花壇の美しい花や、鳥の他リスなどの野生動物も見られますので時間があったらベンチに座ってゆっくり過ごしてみてください。

セント・ジェームスズ・パーク(St. James's Park)

(写真1)

ウェストミンスター寺院へのルートは、公園内を通り抜けてバードケージ・ウォーク(Birdcage Walk/17世紀にここにあった鳥小屋に由来)に向かうと近道になりますが、今回は左に折れてザ・モールに沿って歩いてみましょう。西のバッキンガム宮殿と東のトラファルガー広場をつなげるこの一本の道は外国からの君主が公式訪問したり、国の重要儀式の際に女王がパレードするために造られた道です。両側にユニオン・ジャックの旗が掲げられることも多いのですが、今年のロイヤル・ウェディングではお二人が馬車でウェストミンスター寺院に向かう場面が全世界に放映されるはずです。

ザ・モールの道の表面を見てください。バッキンガム宮殿同様に道路が赤っぽく塗られているのが分かるでしょう。これは赤い絨毯を意識しています。少しのカーブもなく、とにかく真っ直ぐに伸びているこのザ・モール(写真2・Map2は非常事態が発生した際には君主の乗る飛行機の滑走路にもなるそうです。

ザ・モール

(写真2)

前編でご紹介したランカスター・ハウス前編Map11を左に、そしてその隣に見える白っぽい建物が、昨年11月16日にウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの婚約記者発表が行われたクラレンス・ハウス(Clarence House)です。門の前には衛兵が立っています(写真3・Map3。ここは現在、チャールズ皇太子ご夫妻、ウィリアム王子、ハリー王子の公式のお住まいで、現在の女王も結婚されてから女王になるまでを、またエリザベス皇太后も、ジョージ六世が亡くなられた後はここに住んでいました。夏場は一般に公開されていますので、公開日をチェックしてみてください。

クラレンス・ハウス

(写真3)

クラレンス・ハウスの先が、前編のウォーキングで裏側から見たセント・ジェームスズ・パレスです。左のマルボロ・ロード(Marlborough Road)を入りレンガの宮殿に沿って歩くと、チューダー様式で造られたゲイト・ハウス前編Map10にたどり着きます。今でこそレンガの建物はどこでも見られるようになりましたが、16世紀のチューダー王朝時代にレンガをこれほどまでにふんだんに使えたのは王やごく少数の富裕者のみでした。

再びザ・モールに戻ります。マルボロ・ロードを過ぎると左手に見えてくるのがマルボロ・ハウス(Marlborough House)(写真4・Map4です。ここは1711年に初代マルボロ公爵夫人のためにセント・ポール寺院を設計したクリストファー・レン父息子によって建てられたロンドンの邸宅ですが、1817年に王室の手に渡り、ヴィクトリア女王が亡くなる1901年までは皇太子(後のエドワード七世)が住んでいました。社交界の有名人が頻繁に訪れ、夜な夜なパーティが開かれたのもこの邸宅でした。

マルボロ・ハウス

(写真4)

マルボロ・ハウスの先には2体の銅像があります。エリザベス女王のご両親であるジョージ六世とエリザベス皇太后のものです(写真4A)

銅像

(写真4A)

そして、王室所有のカールトン・テラス・ハウス(長屋)が2件並んでいます(写真5・Map5

カールトン・テラス・ハウス

(写真5)

1830年頃に建てられたそれぞれのテラスハウスには9軒の大きな家が入っていて、第二次大戦まではロンドン内でも最も高級な住宅として知られていました。現在ではオフィスなどに使われていますが、ギャラリー、映画館、劇場、ショップやカフェを備えたICA(The Institute of Contemporary Arts)もそのひとつです(写真5A)

ICA

(写真5A)

ふたつのテラスハウスの間に立っているのがヨーク公爵の約38メートルの記念柱(写真5B)ですが、彼はジョージ三世の次男でフランス革命時の英国軍総司令官だった人です。この公爵が英国の子供達に親しまれている童謡『The Grand Old Duke of York』のモデルになった公爵ですが、記念柱を建てるためにすべての軍人の1日分の給料が差し止められたそうです。

記念柱

(写真5B)

そろそろザ・モールの最終点に来ました。突き当たりに見える門は海軍門(Admiralty Arch)(写真6・Map6です。これはエドワード七世が母であったヴィクトリア女王の記念碑として建てたものです。海軍省の建物に隣接しているためにこのような名前がついたのですが、アーチ自体は海軍省とは関係はありません。セレモニーの際に人の多いトラファルガー広場とザ・モールを区切る役目をしています。

海軍門

(写真6)

ビッグヘンからウェストミンスター寺院へ

ザ・モールを横切ってセント・ジェームスズ ・パークの東を走るホース・ガーズ・ロード(Horse Guards Road)という道に入りましょう。海軍省の建物が終わったところにある広場はホース・ガーズ・パレード(Horse Guards Parade)(写真7・Map7です。

ホース・ガーズ・ロード

(写真7)

ここはヘンリー八世時代、ホワイトホール宮殿の馬上槍の試合場として使われていたグラウンドですが、現在は毎年女王の公式誕生日に行われる軍旗敬礼式(Trooping the Colour)の会場になるほか、毎日行われる騎馬兵の交替式にも使われます。(写真7A&7B/平日11時~11時半、日曜10時~10時半)

グラウンド

(写真7A)

グラウンド

(写真7B)


バッキンガム宮殿の交替式より見物客は少なく、馬上の近衛兵を良く見ることができるので人混みが苦手な方におすすめです。交替の時間外に行った場合は、建物のアーチをくぐりホワイトホール(Whitehall)に出ると、毎日10時から16時まで騎馬兵が任務についているので、写真撮影ができます(写真7C)

騎馬兵

(写真7C)

向かいのセント・ジェームスズ・パーク側には第一次大戦で戦死した兵士達に捧げるメモリアルが建っています(写真7D)

メモリアル

(写真7D)

ホース・ガーズの通りを進むとチャーチル博物館・内閣戦時執務室(Churchill Museum & Cabinet War Room)(写真8・Map8が左にあります。

チャーチル博物館・内閣戦時執務室

(写真8)

第二次大戦中に閣議が開かれた地下壕が今では博物館になっているもので、戦争時に使われたままの状態で各部屋が保存されています。この博物館を訪れれば、「英国人が最も愛する偉大な人」の筆頭に挙げられるチャーチルの人気を改めて感じることでしょう。近くにある大理石で出来た直径1.5メートルの丸い彫刻の表面には202羽の鳩が刻まれています(写真8A)。これは2002年バリ島で起きたテロリストによる爆破で亡くなった21カ国の202人のためのメモリアルで、犠牲者の名前がそばにある壁に刻まれています。

メモリアル

(写真8A)

道の突き当たりに来たら左に折れましょう。いよいよビッグベンの鐘で有名な国会議事堂の時計台が見えてきます(写真8B)

な国会議事堂の時計台

(写真8B)

そのまま進めば国会議事堂にたどりつきますが、今回は道を渡り、ストーレイズ・ゲイト(Storey's Gate)Map9という通りに入ります。するとウェストミンスター寺院のふたつの塔が見えてきます。右側にはメソジスト・セントラル・ホール(Methodist Central Hall)の大きなドームを持つ建物があります(写真9A)。メソジスト教会の創始者であるジョン・ウェズリーの死後100年の記念に建てられたもので、1947年に第1回の国連が開かれたのもここです。

メソジスト・セントラル・ホール(Methodist Central Hall)の大きなドームを持つ建物

(写真9A)

さて、いよいよこのウォーキングの最終目的地、ウェストミンスター寺院です。寺院の記念写真は、右手のトットヒル・ストリート(Tothill Street)とヴィクトリア・ストリート(Victoria Street)の間にあるバークレー銀行の前からがおすすめ。大きすぎてなかなか1枚の写真に納まりきれない寺院もここから だとバッチリです!(写真10・Map10

ウェストミンスター寺院

(写真10)

ウィリアム王子の両親であるチャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式はセント・ポール寺院で行われましたが、今回のウェディングが行われるのはウェストミンスター寺院。ここではチャールズ皇太子を除くエリザベス女王の子どもたち、そしてエリザベス女王自身や両親のジョージ六世とエリザベス皇太后など、多くのロイヤル・ウェディングが執り行われています。

ウェストミンスター寺院の正式名は「Collegiate Church of St. Peter in Westminster」です。西暦960年、12人のべネディクト派の修道僧が当時島であったこの場所に住み着いたのが始まりで、エドガー王の擁護を受けて以来、現在に至るまで王室との深い関係が続いています。この地に教会を建てたのはエドワード懺悔王で1065年のこと。そしてウィリアム征服王が1066年にこの教会で戴冠式を行って以来、英国の歴代の王、女王は2名を除いては(エドワード五世とエドワード八世)ここで戴冠式を行っています。

ロイヤル・ウェディングにちなんだウォーキング、いかがでしたでしょうか。4月29日には、幸せに満ち溢れたお二人の結婚式の様子が世界中でテレビ中継されます。その際にこのウォーキングのことを思い出していただければ、歴史に残るこの出来事がもっと身近に感じられることでしょう。
最後に、下記のサイト(ガーディアン紙)で1947年の女王とエジンバラ公爵の結婚式の映像をご覧になってみてください。64年経った今年のロイヤル・ウェディングと比べてみればきっと王室の流れの変化も見えてくるでしょう。そしてまた、「いつの世にも変わらない英国の伝統」が深く根付いていることも感じていただけることでしょう。

http://www.guardian.co.uk/theguardian/video/2010/nov/18/british-pathe-archive-1947-royal-wedding-video

英国関連イベント情報

掲載の情報は2011年3月1日現在のものです。お出かけになる際は必ず最新の情報をご確認ください。

ラファエル前派からウィリアム・モリスへ

19世紀半ば、ヴィクトリア朝のイギリスで彗星のように登場した芸術家グループ "ラファエル前派"。彼らは、16世紀イタリアの巨匠ラファエロの絵画を模範とする当時の保守的なイギリス画壇を批判し、ラファエロ以前の画家たちの素朴な作風に新たな未来を切り開こうと探求しました。本展では、ラファエル前派を代表する、ロセッティ、バーン=ジョーンズらの絵画約80点を紹介する他、ラファエル前派の理想に共鳴して活動した、ウィリアム・モリスのデザイン作品なども合わせて展示します。絵画やステンドグラス、家具など当時の社会を幅広く、そして華やかに彩った19世紀末のイギリス芸術の成果をぜひご覧ください。
会場:
美術館「えき 」KYOTO
(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)   
会期:
2011年2月25日(金)~3月27日(日) 会期中無休

※このイベントは終了致しました。

開館時間:
午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉館) 
入館締切:
閉館30分前
入館料:
一般900(700) 円、高・大学生700(500) 円、小・中学生500(300) 円 ※( )内はご優待料金
お問合せ:
075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
《レディ・リリス》  1867年 水彩、顔料・紙 Private Collection


大英博物館古代ギリシャ展 -究極の身体、完全なる美-

URL : http://www.body2011.com/

美術、文学、哲学、スポーツ― さまざまな文化が花開いた古代ギリシャ。なかでも "人類史上もっとも美しい"とも評されるギリシャ美術は、その後の西洋文明における「美」のお手本となりました。本展では、世界最大級といわれるイギリスの大英博物館が世界に誇るギリシャ・コレクションから厳選された彫像、レリーフ、壺絵など約130点を紹介いたします。ぜひこの機会に、古代ギリシャの人々がたどり着いた理想の「美」の全貌をご堪能ください。
◎会場:
神戸市立博物館(神戸市中央区京町24番地)
◎会期:
2011年3月12日(土)~6月12日(日)
休館日:月曜日
(ただし、3月21日、5月2日は開館、3月22日は休館)
◎開館時間:
午前9時30分~午後5時
(毎週金・土曜日は午後7時まで開館)
◎入館締切:
閉館30分前
◎観覧料:
一般1,500(1,300/1,200) 円、高・大学生1,100(900/800) 円、 小・中学生600(450/400) 円
※( )内は前売/団体料金。団体は30名以上。
◎お問合せ:
078-391-0035(神戸市立博物館)
スフィンクス像

スフィンクス像 後120~140年頃 大理石
作品写真 ○c The Trustees of the British Museum 

アフロディテ(ヴィーナス)像

アフロディテ(ヴィーナス)像
ローマ時代(原作:前4世紀)パロス産大理石
作品写真 ○c The Trustees of the British Museum 


英国王のスピーチ

URL : http://kingsspeech.gaga.ne.jp

スピーチができない男が、国王になった。幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、自分を否定しながら生きてきた男、英国王ジョージ6 世が自らを克服し、国民に愛される本当の王になるまでを描いた感動の実話。各国での上映が始まるにつれて、世界に喝采と絶賛の輪が広がっています。公開当初からアカデミー賞の本命との呼び声も高く、主演男優賞など主要部門独占最多4冠を達成しました。2011年最高の話題作となったこの作品、ぜひご覧ください。

[ 開催概要 ]
2011年2月26日(土):
TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他 全国ロードショー

(C)2011See-saw Films. Allrights reserved.

(C)2011See-saw Films. Allrights reserved.


スウィンギン・ロンドン50's-60's展

URL : http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/bihaku/top.html

戦後の荒廃からようやく落ち着きを取り戻し、急速な経済の発展を見せた1950年代後半~1960年代のイギリス。伝統的な階級の壁は崩れ、若者たちは熱狂と興奮のなかで様々な分野で新しい才能を開き、ロンドンは若者文化の中心となっていきました。
本展では、当時のデザイン製品や、音楽やファッションをベースとした若者のライフスタイルを中心に、新たに発見されたビートルズの貴重な資料や、ジミー・ペイジ愛蔵のギター&ステージ衣装を紹介する予定です。
会場:
岡崎市美術博物館
日程:
2011年1月29日(土)~3月21日(月)

※このイベントは終了致しました。

休刊日:
月曜日(ただし、3月21日は開館)
観覧料:
一般800(700)円、小中学生400(300)円

*()内は20名以上の団体料金。
*岡崎市内の小中学生は無料。
*各種障がい者手帳の交付を受けている方及びその介助者は無料。

Photo©Paul Reevew

Photo©Paul Reevew