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スコットランド 古城ホテルを巡る旅

文:薄井美代子
写真:富岡秀次(RSVP)

スコットランドを訪ねたら、一度は泊まってみたいのが、お城をホテルへと改装した「古城ホテル」。その佇まいは、厳格にして華麗。古城ホテルのなかには、代々のクラン(氏族)の末裔が守り続けるところもあり、まさにスコットランドの歴史を肌で感じることができます。この夏、古城ホテルに滞在しながら、誇り高きスコットランドに出会う旅はいかがでしょう。

ヴィクトリア女王が愛した 美しい佇まいに触れる

インバーロッヒー・キャッスル・ホテル 写真

1873年にヴィクトリア女王が1週間ほど滞在した際、「これほどまでに美しく、ロマンチックな場所は今まで見たことがない」と日記の中で絶賛したほど、お気に入りの場所だったというのがインバーロッヒー。

スカーレット家のアビンジャー男爵の居城として1863年に立てられたお城は、ホテルとなる前はハンティング・ロッジ(猟館)として利用されていました。 1963年に古城ホテルとしてオープンしてからは、エリザベス女王、チャールズ皇太子、スティーブン・スピルバーグ、メル・ギブソンなどの多くの皇族や著名人たちをゲストとして迎えなかには30年以上も通い続けているリピーターもいるそうです。

1階には映画『ハリーポッター』の撮影にも使われたというライブラリー、美しい庭園が臨めるドローウィング・ルーム、ダイニング・ルームなどの共有スペースが。そして、この古城の最大の自慢は、ミシュランの星を獲得したシェフがもてなす料理。ヴィクトリア女王が愛した美しいたたずまいの城で、スコットランド屈指の料理を味わう。これこそが最高の贅沢と言えるでしょう。

DATA

Inverlochy Castle Hotel
Torlundy, Fort William PH33 6SN
+44 (0)1397 702177
www.inverlochycastlehotel.com

宿泊料金:£245〜640
日本からの予約:ルレ・エ・シャトー
03-3475-6789

一千年の時を重ねる 古城中の古城

トラクエア・ハウス 写真

1107年から続くトラクエア・ハウスは今も人が暮らす城としてはスコットランドで最も古い城のひとつ。1175年にウィリアム獅子王がこの城で許可を与えた木曜の市が後のグラスゴーの町となったというほどにその歴史は長いものです。その後は王たちのハンティングロッジとして使われ、1491年にジェームズ・スチュワートが初代の領主となって以来、子孫に受け継がれて現在に至っています。

トラクエア・ハウスは一部を公開する他、3部屋をホテルとして提供しています。城の内部はスコットランドの歴史を知る上で貴重な資料を収めたミュージアムや、弾圧され続けたカトリックの司祭を匿う部屋などを見ることができます。敷地内には1829年にカトリックが公に認められた後に建てられたチャペルや、昔はどこの城にもあったというビールの醸造所が今も稼動しています。

価値を図れないほどの歴史を持つ家具に囲まれ、軽く数百年を超えた本を手に取ってこの城代々の領主の肖像画を眺めると一瞬自分がどの時代にいるのかわからなくなりそう。周囲を広大な庭園に囲まれた窓の外は漆黒の闇、夜に聞こえるのは梟の声だけ。ここトラクエア・ハウスはその長い歴史にも関わらず、いわゆる血なまぐさい事件が起こったことがなく、「ゴーストは老婦人が庭をそぞろ歩くぐらい」だとか。

DATA

Traquair House
Innerleithen, Peebleshire EH44 6PW
+44(0)1896 830323
www.traquair.co.uk

宿泊料金:£100〜180

名門スチュアート家の城が語る スコットランドの歴史

キャッスル・スチュアート 写真

スコットランドにはスチュアート家ゆかりの古城が多く残りますが、その代表的なものがインヴァネス郊外にあるキャッスル・スチュアート。スチュアート家は340年にもわたりスコットランドを治めた、名門中の名門のクラン(氏族)です。この城は、女王メアリーの異母兄弟であるジェームス・スチュアートが初代モレー伯爵としてスコットランドを統治して以来、代々のモレー伯爵が所有。1979年に新たな主人としてスチュアート夫妻を迎えるまで200年以上も廃墟と化していました。

修復されたとはいえ、マッキントッシュ氏族に占領された時の銃痕や、カトリック迫害時に造られた隠し階段や秘密の通路が残っており、その波乱万丈な歴史を物語っています。城内に足を踏み入れると、女優へレン・ミレンが挙式したことでも知られるドローイング・ルーム、かつて貴族たちがパーティーを愉しんでいたグレートホールなどのパブリックスペースを城の中央に構え、それを挟むように両隣に客室が配置されており、どの部屋も当時のスチュアート家の暮らしを偲ばせます。かつての主たちを想像しながら古城のひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

DATA

Castle Stuart
Petty Parish, Inverness IV2 7JH
+44 (0)1463 790745
www.castlestuart.com

宿泊料金:£150

古城からホテルへと 進化した空間でくつろぐ

ダルハウジー・キャッスル 写真

エディンバラから車で約20分南に位置するダルハウジー・キャッスルは、旅行客だけでなく、「日常と異なる特別な場所」を求める地元の人々にも人気があります。このお城は、長年にわたり伯爵の称号を与えられたラムゼー家の館でしたが、古城ホテルとして生まれ変わる直前は、全寮制の男子校として使われていました。王室とも縁があり、メアリー女王やエドワード1世も宿泊したそうです。

到着すると老紳士がバグパイプの音色で出迎えてくれます。建物内に足を踏み入れると、26ある客室はそれぞれ趣向が凝らされ、上質なファブリックと家具に囲まれた部屋は豪華極まりないものです。城内には趣の全く異なるレストランが2つ。なかでも石造りの壁に囲まれたダンジョン・レストランでは、中世からの古城ならではの雰囲気をたっぷり味わうことができます。ライブラリーには80種類ものウイスキーが揃えられており、宿泊客がくつろげるパブリックスペースとなっています。かつての主たちもここで家族や友人たちと談を咲かせていたのでしょう。

DATA

Dalhousie Castle
Bonnyrigg, Edinburgh EH19 3JB
+44 (0) 1875 820 153
www.dalhousiecastle.co.uk

宿泊料金:£125〜485

※ ご紹介致しましたホテルの宿泊予約等に関するお問い合わせは、各ホテル情報の下に記載されている連絡先まで直接お願い致します。